2011年秋季全国研究発表大会

企業のIT投資戦略がIT組織にかかわる影響に関する考察


成澤 理香1)

1)東京大学大学院学際情報学府博士課程

abstractIT投資と企業業績の因果関係については、未だ明確な結論が得られていないものの、ITがもたらした生産性効果やビジネスモデルの変化は非可逆的なものであり、IT導入以前の姿に戻ることは考えにくい。IT投資は一般に模倣容易性が高く、競争優位になりにくいという批判もある。しかしながら、本調査結果によれば、景気低迷期を経て、IT投資の成果の企業業績による差はより拡大しているという結果が明らかとなっている。すなわち、継続的IT投資が行われない企業は独り負けとなるリスクも存在している。こうした負のスパイラルは体質となって定着する傾向にあるため、今のうちに自社の位置付けを注意深く検証すべきであろう。本調査では、国内企業におけるIT投資ガバナンスの事例を取り上げ、実際に企業がどのような投資戦略に基づきIT投資を進めているのかを、これまでの調査結果と照らし合わせながら検証していく。
keywordsIT組織開発,人材開発,IT投資戦略


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