abstract | 2011年4月、あるエンターテイメント企業の管理するサーバから、7700万件におよぶ個人情報の外部流出したことが明らかになった。この出来事をめぐり誰にどのような責任があるのだろうか。
本報告のねらいは、アナロジー(類推・推定)の働きに注目しながら、責任という倫理概念が形づくられる理路を探ることにある。アナロジーは比喩の組み合わせによる喩え話を思考の素材として、出来事の全体像を把握し、責任の所在についていくつかの考えかたを示すことに役立つ。だがアナロジーは複数の喩え話から、基本となる理由づけを選びだすことができない。 本報告では、情報管理をめぐる責任概念が「道徳的な想像力」にもとづいて帰属されることを結論づけるものである。 |
keywords | 情報管理の責任,アナロジー(類推・推定),顧客情報の流出 |