活動理論の図式を利用したシステム分析のための現象学的還元

小坂 武1)

1) 東京理科大学

Abstract 活動理論を図的資源に、現象学をメタ方法論にする一人称システム分析のための基盤(1ppSA)が提唱されている。本稿はその有用性を現象学的還元を行う事例を示すことで例証する。社会学が教えるように、我々一人ひとりの思考や行動の条件や構造を意識化できれば、それらから我々が自由になり、他者との協調やイノベーションが生まれ、より優れた組織や情報システムを作り出せる可能性がある。事例では、通常意識しない条件や構造を活動理論の各要素で仮想的に入れ替えることで、その条件や構造の整合性や矛盾に気付くことができる。それは形相的還元を行うことで、条件と構造を意識化できることを意味する。
Keywords システム分析,現象学,一人称
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