日本企業で働く元外国人留学生の戦力化の実態
―“葛藤”に着目したマネジメント方略の考察―

清水 彰人1)、坂爪 裕1)

1) 慶應義塾大学大学院経営管理研究科

Abstract 本研究では、日本企業で働く元外国人留学生へのインタビューをもとに、彼らが組織に適応する過程で直面する葛藤の実態に迫り、戦力化のために必要な組織としての対応を考察している。本研究の結果、日本企業が外国人留学生に期待する「ブリッジ人材」と「変革エージェント」という2つの役割期待が本質的には異なるにもかかわらず曖昧なまま外国人留学生が雇用されていること、また、職場のグローバル化を期待する会社と日常業務の着実遂行を期待する上司とが異なるメッセージを発信しているために彼らの葛藤を生み出していることが明らかになった。
Keywords 元外国人留学生,葛藤,実態
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