効用をベクトルとしてとらえる新たな効用関数の提案

安井 省侍郎1)

1) 厚生労働省

Abstract N-M効用関数は、効用をユークリッド幾何学アナロジーから、効用を直線上の点としてとらえている。この単純化により、効用関数は、複数の要素をもつ選択肢の選好、例えば、コーヒー、紅茶、ジュースの選好順位に、価格情報が加わったときの影響の分析の手助けにはなってくれない。また、このモデルでは、原点を特定する必要がない反面、現状を意志決定モデルに反映できない。本稿では、効用を直線ではなく、ベクトルとしてとらえ、効用関数として活用できる可能性を考察する。空間ベクトルから考察を始めるが、理論的にはベクトル空間の概念を用い、n次元に拡張も可能である。
Keywords 効用,効用関数,ベクトル
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