伝票はITであった。ビジネスの仕組みを優れたものにするうえで、伝票を工夫して「モノと情報の流れを整える」ことは向上させるべき課題であり続けた。特に、市場は不確実性の源であり、リーンシステムのような自社の柔軟性を実現することで市場の不確実性に対応する方法の有効性が認められた。現在のIoTを基盤としたビッグデータの活用の拡大は、企業とサプライチェーンで実施されてきたモノと情報の整流化を拡大して、市場の需要プロセスさえも企業のビジネスプロセスの一部とみなして、管理のスパンに取り入れ市場不確実性を確実性に変化しようとする動きとも見える。革命的な未来のビジネスが垣間見えている。しかし、プラットフォームを通じたサービス化と補完事業化や、ITを利用した業務活動の標準化と連動して「労働の空洞化」を引き起こし、労働を通じた人間と生活の成熟を妨げる可能性もある。労働・知識・体験の切り売りにつながるのか、新たな分業社会システムの次元を切り開くのか。まさに、経営情報学の真価を問われる状況が現れつつあるのである。